第14回国際マスターズSS:スプリントゲームズ

カルガリー大会(2023年1月21~22日)

マスターズのスピードスケート(SS)競技において、3年ぶりの国際大会参戦。その第1弾として、日本のエースが単身でカルガリーに乗り込み、見事表彰台のど真ん中をGETしました。あっぱれ!

第14回国際マスターズスプリントゲームズ(14th Annual International Masters Sprint Games)が1月21日、22日の両日カナダ・カルガリーのオリンピックオーヴァルで行われました。当初の予定ではカザフスタンのメデオでの開催が予定されていたのですが、現況の社会情勢のため、急遽カルガリーで、日程、場所を変更して行われることになりました。同日ドイツ・インツェルでもスプリント・クラッシック大会が開催されたこともあり、今大会の参加者は今までになく少ない49名(男子37名、女子12名)も、7か国から世界最速を狙うガチのメンバーが「スプリント王、スプリント女王」の座をかけ集結、その中で女子3選手がなんと驚異的な9つの世界新記録を樹立しました。

1, 2and 3 of L55

ミーケ・アン・カンネヴォルフ(オランダ)(3個)
  L35: 500m/40.63 1000m/1:22.10 スプリント総合/163.970
モニカ・ボエレマ(オランダ)(2個)
  L60: 1000m/1:31.65 スプリント総合/184.380
バーバラ(バーブ)・ジョンソン(USA)(4個)
  L70: 500m/48.25 1000m/1:40.15→1:38.19 スプリント総合/196.010

L50のスプリント総合ポイントで世界記録を持つ日本のエース古屋野順友(長野)は、今回L55部門での初挑戦。シーズンベストをマークするも、惜しくも世界記録更新とはいかなかった。それでもきっちり4種目すべてで表彰台のトップを確保した。「1月はまだトレーニング足りてないんだなあと思ってます。あと一ヶ月あるともうちょっとましかも」と来年の世界マスターズゲームズ(2024年1月イタリア開催)でのメダル獲得を目指し、明日からの新たな目標を見つけました。

Joanne(L75), Barb(L70) & Junyu (L55)
Gold!!!! (Junyu L55)
Award Ceremony

古屋野からの生のレポート
パンデミックで3年ぶりの参戦は、日本から一人の参加でした。 しかし、各国から51人が集って、アットホームで、温かい雰囲気の素晴らしい大会でした。 流石世界の高速リンク、今回9つの世界記録が樹立され、ほとんどの選手がシーズンベストかパーソナルベストを更新しました。 人数が少ないので500mから1000mまで1時間半。
カルテットもなく ゆったりと余裕をもってレースに望めました。 女子は、35,60,70のカテゴリーで世界新記録が樹立されましたが、それぞれの選手が自分自身の目標にチャレンジしていて全てのスケーターが素晴らしいと思います。
長年スピードスケート競技を続けている選手もいますが、数年前からスピードスケートを始めたり、私のように子供の頃や学生時代まで競技をしていて引退し、20年30年というブランクを経て、競技を再開した仲間も多く、仕事や子育てのことなど、話をするととても共感します。
日常生活の中にスポーツや趣味を楽しみ、アスリートとして世界マスターズを目標にトレーニングに励んでいる仲間達と交流出来ることが、マスターズの極みとも言えます。
スケートの他にスキーやサイクリング、水泳、マラソンなど様々なスポーツをしているという話も聞くことが出来ました。 75才カテゴリーのジョアンナは、ヘリコプタースキーにはまっているそうです。 又、70才カテゴリーのバーバラ(世界記録2種目とスプリントトータルを二回目の更新)やドイツの選手は近くにリンクが無く、何時間もドライブをして週に数度練習に行くそうです。 一週間後のケベックで行われるオールラウンドゲームスに転戦する選手が多いのですが、2~3週間、長期休暇を取得したり、海外に出掛けることが、多くの日本人にとってはなかなか困難です。
毎回、オランダのスケーター達が2つの大会を連戦したり、大会の前後にゆっくり現地で調整したり、休暇を楽しんでいる様子がとても羨ましいです。 文化や考え方の違いがあると思いますが、アジアからも、日本人も、もっと生涯スポーツとして、スピードスケートを楽しむマスターズスケーターが増えて欲しいです。

余談ですが、 前回宿泊した大学キャンパス内のホテルが全面学生寮になったので、ジョギングで10分(近道を見つけて)駅やスーパー、飲食店も近い便利な立地のホテルで快適に過ごしました。 電車に乗って6駅の中心地にある映画館に出かけたり、近所の散策も楽しめました。 お天気に恵まれ、あまり寒くもなく最高の遠征になりました。