マスターズワールドカップ2023 ~ クロスカントリースキー
ゼーフェルド大会(2023年3月18日~24日)
1980年に組織化されたWMA(The World Masters Cross-Country Ski Association)の2023年大会がオーストリアのゼーフェルドで3月18日開幕した。43年の歴史で初めて、今回日本から以下の5選手(コーチ1名、ND1名同行)が参戦した。
熊沢洋治(男子M06クラス、55歳クラス、東京都)
木田実(男子M07クラス、60歳クラス、富山県)
星伸也(男子M09クラス、70歳クラス、栃木県)
藤井久美子(女子W05クラス、50歳クラス、広島県)
佐伯克美(女子W12クラス、85歳クラス、富山県):女子最高齢の参加者
村井直人(コーチ富山県)
髙井健志(ナショナルディレクター)
更なる快挙は、大会初日に起こった。世界最高齢クロスカントリースキーヤーの称号を持つ佐伯克美が午前中のクラシカル5km(26分18秒5)、そして午後に開催されたフリー5km(29分04秒2)で、堂々の完走!自身の持つ記録を88歳16日に伸ばした。
前日までのポカポカ陽気も、大会初日(19日)の朝は曇り空。前日大会運営側が夜通しでコース設営に努めた結果、きれいに滑走溝も仕上がり、この時期にしては最高のコンディンが整った。迎えた午前中、佐伯は10時05分にまず最初のクラシカル5kmのスタートラインについた。75歳部門、80歳部門、そして唯一の参加者となる85歳部門が一つのグループとなり、同時にスタート。スタートでもまったく出遅れることなく、前半から果敢に攻めた。終盤にグループから離れるも、マイペースを最後まで守り切り、26分台(かなり速い)でゴール!ゴール付近で待ち受けた村井コーチと抱き合い、チームのメンバー、そしてレフリーの方々と歓喜を分かち合った。
開場となったゼーフェルドは、1964年、1976年のオリンピックの会場でもあり、2019年ノルディック世界選手権が開催され、そして2020年の世界マスターズの会場となった場所でもあり、クロスカントリースキー一色、ノルディックのメッカの街である。通年3月であれば、一面が白銀の世界のはず。しかし暖冬の今年は、気温も高く、あちこちで山肌、野原がむき出しの中、大会コース周りを囲みあちこちにある残雪の道を、一般の方が散歩がてらにクロスカントリースキーをしながら、野外スポーツを楽しんでいる。大会会場も人工雪があるものの、日中の日差しで路面はシャーベット状になり、大会組織側を悩ませた。結果、開催数日前になり、日程、コース変更となったが無事開催に漕ぎ着けた。